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仕事で受けるストレスによって眠れなくなる理由
仕事で受けるストレスによって眠れなくなる理由は、自律神経が乱れ、脳を覚醒させてしまうからだと言われています。
自律神経とは、心身の様々な働きを制御している神経です。自律神経には、心身の働きを抑制する副交感神経と、心身の働きを促進する交感神経の二種類があります。
ストレスを受けてしまうと、交感神経の働きが優位になります。交感神経の働きが優位になると脳が覚醒し、眠りにつけなかったり睡眠が浅くなってしまったりする原因になると考えられています。
また、眠れないことに焦りや不安を感じ、更なるストレスに繋がってしまう場合もあります。
仕事で受けるストレスによって眠れない場合の対処法
仕事で受けるストレスによって眠れない場合の対処法には、以下のものが挙げられます。
- 深呼吸する
- ツボを刺激する
- お湯につかる
- ストレッチする
- 匂いや音楽を楽しむ
- 転職をする
- 専門家に相談する
深呼吸する
ストレスで眠れない場合は、深呼吸を試すと良いでしょう。
深呼吸をすることで副交感神経が刺激されるため、心身のリラックス効果が期待できます。
また、心身がリラックスすることで入眠しやすくなったり、睡眠の質が上がったりすると言われています。
さらに、ヨガなどの呼吸法を参考にすることで、より高い効果が得られる場合もあります。
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ツボを刺激する
ストレスで眠れないときは、ツボを刺激することでも効果がある場合が多いです。
副交感神経に作用するツボを刺激することで心身がリラックスし、快適な睡眠が期待できます。
副交感神経に作用するツボの具体例としては、手のひらの「労宮」や頭頂部の「百会」などが挙げられます。
お湯につかる
ストレスで眠れない場合にお湯につかることも、対処法として挙げられます。
快適な睡眠には副交感神経の刺激のほかに、入眠時に体温が下がる状況を作ることが大切だとされています。
したがって、入浴は体温を一時的に上げ、睡眠まで時間をあけることでこの条件が満たされるため、快適な睡眠に繋がると言えます。
ただし、入浴後すぐに眠ることは、体温が上がった状態であるため、おすすめできない場合が多いです。
入浴後すぐに眠らないといけない場合は、お風呂の温度をぬるめに設定しておくと良いでしょう。
ストレッチする
ストレッチをすることも、ストレスで眠れないときの有効な手段だと言われています。
ストレッチにより筋肉が弛緩することで心身がリラックスし、副交感神経が刺激されるでしょう。この刺激によって副交感神経が優位となり、快適な眠りにつけることがあります。
また体温が上昇し、入眠がスムーズになることも期待できます。
さらに、ストレッチと深呼吸を併せて行うことで、より高いリラックス効果を得られる場合もあります。
匂いや音楽を楽しむ
匂いや音楽を楽しむことも、ストレスで眠れないときに有効な対処法だと考えられています。
匂いや音などの感覚は脳に直接伝わるため、安眠効果のある匂いや音楽には、高いリラックス効果が期待できるでしょう。
例えば、歌詞のない音楽や、アロマオイルなどがおすすめと言えます。
ただし、強すぎる香りや激しい音楽などは、逆効果となってしまうケースもあるため、注意が必要です。
転職をする
仕事のストレスにより眠れない状態が続く場合は、思い切って転職することも一つの手段です。
職場でのストレスが眠れない原因になっている場合、職場を変えることでストレスを回避し、眠れない状況を改善できる可能性があります。
専門家に相談する
仕事のストレスで眠れない状態が続く場合は、産業医やカウンセラーなどの専門家への相談を検討しても良いでしょう。
病気が疑われる際には、専門家に相談することで、早期に有効な治療を受けられる可能性が高いまります。
また、病気でない場合でも、ストレスに対する向き合い方を教えてもらうことで、眠れない状況の改善が期待できます。
ストレスによる1ヵ月以上の不眠など明らかな異常を感じている場合は、直ちに専門家へ相談しましょう。
睡眠不足による仕事への悪影響
睡眠不足による仕事への悪影響には、以下のようなものがあります。
- メンタルの不調
- パフォーマンスの低下
- 病気を誘発するリスク
メンタルの不調
睡眠不足による仕事への悪影響の一つとして、メンタルの不調が挙げられます。
睡眠不足が続くと情緒が不安定になる傾向があるため、メンタルの不調を引き起こす原因になり得ます。
また、メンタルの不調が深刻化した場合、うつ病などの精神疾患に繋がることもあるため注意が必要です。
パフォーマンスの低下
睡眠不足による仕事への悪影響として、仕事におけるパフォーマンスの低下も考えられます。
睡眠は注意力や集中力の高さに深く影響するため、睡眠不足の状態で仕事をすると、睡眠を適切にとっている場合と比べてパフォーマンスが低下してしまう場合が多いです。
病気を誘発するリスク
睡眠不足の状態が続くと、病気を引き起こすリスクが高まると言われています。
寝不足の状態が続くと免疫力が低下し、風邪などにかかりやすくなる場合が多いです。
また、睡眠サイクルの乱れが生活習慣の乱れに繋がり、生活習慣病を引き起こしてしまうリスクもあるため、注意が必要です。
仕事でストレスを感じてしまう原因
仕事でストレスを感じてしまう原因には、以下のものが挙げられます。
- 仕事量・難易度
- 仕事の責任
- 人間関係
仕事量・難易度
仕事の量や難易度に対してストレスを感じる人は多いでしょう。
自身の能力に対して、与えられる仕事の量が多かったり要求されるレベルが高かったりすると、仕事を上手くこなせるか不安になったり不満を感じたりすることがあります。
その結果、それらの不安や不満がストレスに繋がってしまう場合があります。
仕事の責任
仕事で感じている責任の大きさも、仕事で抱えるストレスの原因となることがあります。
仕事で感じている責任が大きい場合、会社や取引先など周囲の人に迷惑をかけてしまうことを恐れ、ストレスを抱えてしまう場合が多いです。
人間関係
職場の人間関係に関する不満も、仕事でストレスを抱える原因の一つです。
職場は一日の多くの時間を過ごす場所であるため、性格が合わないと感じる人や、そもそも関係が良好でない人がいると、大きなストレスを感じてしまう場合があります。
不眠の種類
不眠の種類には、以下のようなものがあります。
- 入眠障害
- 中途覚醒
- 早期覚醒
- 熟眠障害
入眠障害
ストレスによって眠れなくなってしまう症状の一つに、入眠障害が挙げられます。
入眠障害とは、布団に入ってから長い間眠ることができず、苦痛を感じてしまう症状を指します。
不眠症の訴えの中でも、入眠障害を訴える人が多いと言われています。
中途覚醒
中途覚醒も、ストレスによって引き起こされる不眠の症状の例です。
中途覚醒とは、就寝してから起床するまでに、何度も目を覚ましてしまう症状を指します。
ストレスに加え、年齢が高くなるとともに中途覚醒を訴える人は多くなる傾向があります。
早期覚醒
ストレスによる不眠の症状としては、早期覚醒も挙げられます。
早期覚醒とは、あらかじめ決めていた起床時間よりも2時間以上早く目が覚めてしまい、二度寝ができなくなってしまう状態を指します。
高齢者の他に、うつ病などの精神疾患を持つ人にもよく見られる症状だと言われています。
熟眠障害
熟眠障害も、ストレスを感じることによる不眠の症状の一つです。
熟眠障害とは、睡眠時間を適切にとっているにもかかわらず、眠りが浅い状態を指します。
よく眠るために心がける習慣
よく眠るために心がける習慣には、以下のものが挙げられます。
- 生活リズムを整える
- 適度に運動をする
- 寝る直前に食事をしない
- 日光を浴びる
- 眠りやすい環境をつくる
- 飲酒を控える
生活リズムを整える
生活リズムを整えることは、よく眠るために心がけるべき習慣だと言えます。
それは、起床時間や睡眠時間を毎日一定の時間に定めることで、体内時計が安定すると考えられているからです。
また、体内時計が安定することで体内で一日のサイクルが作られ、睡眠時に適切に体を休めやすくなるでしょう。
ただし、休日の寝すぎや昼寝のしすぎなどは、生活リズムを乱す原因となることがあるため、注意が必要です。
適度に運動をする
適度に運動をすることも、よく眠るために有効な方法の一つです。
運動をして疲れを感じることで、眠りやすくなる場合が多いです。
また、運動をして体温を上げておくことで、床に就いたときに体温が下がっていき、眠りにつきやすくなると考えられます。
さらに、負担にならない程度の運動を習慣的に行うことで、より高い効果が期待できます。
ただし運動のしすぎはかえって疲労を溜めてしまうことがあるため、注意しましょう。
寝る直前に食事をしない
寝る直前の食事を控えることも、睡眠を満足にとるために心がけるべきことの一つです。
睡眠の直前に食事をすると、睡眠中も消化器官が活発に働いている状態になります。
そのような消化器官の働きによって睡眠が阻害されてしまうため、寝る直前は食事を控えるべきでしょう。
一般的には、就寝よりも3時間以上前に食事をとることが理想だと言われています。
日光を浴びる
よく眠るためには、日光を浴びる習慣も大切だと考えられています。
日光を浴びると、人間の体内ではセロトニンと呼ばれる脳内伝達物質が分泌されます。
そして午後になるとセロトニンを材料として、睡眠に作用するメラトニンと呼ばれる物質が形成されます。
メラトニンの量は睡眠の質に影響すると言われているため、日光を浴びてセロトニンを分泌させることが、よく眠るために必要な習慣だと言えるでしょう。
また、日光を浴びることで体内時計が整い、生活リズムを一定に保つ効果も期待できます。
眠りやすい環境をつくる
眠りやすい環境作りも、よく眠るには必要なことだと考えられています。
例えば、寝具や部屋の明るさ、温度などの環境を整えることで、快適な睡眠に期待できるでしょう。
飲酒を控える
飲酒を控えることも、よく眠るために必要なことだと言えます。
これらに含まれる成分には、覚醒作用があったり、利尿作用を引き起こしたりすることがあるため、習慣的な摂取は睡眠に悪影響だとされています。
就寝の直前に摂取すると睡眠を強く阻害してしまう可能性があるため、注意が必要です。
仕事のストレスで眠れないことに関連するよくある質問
ストレスで寝れなくなった原因は何ですか?
自律神経の働きが関係していることが多いでしょう。
ストレスを受け脳が興奮状態になることで、自律神経のうちの交感神経が刺激されます。
交感神経が刺激されることで身体が覚醒し、結果的に眠れなくなってしまうことがあります。
質の良い睡眠をとるためにやめた方が良いことはありますか?
寝る直前のスマートフォンの使用などが挙げられます。
ブルーライトには、良質な睡眠に必要なメラトニンの分泌を抑える効果があるため、寝る直前に使用すると睡眠の質を下げてしまう可能性が高いです。
質の高い睡眠をとるために、寝る1時間前にはスマートフォンの使用を控えると良いでしょう。
仕事が不安で眠れない人におすすめの働き方はありますか?
可能な限りストレスを感じない働き方を選ぶことが重要だと言えます。
不安の原因となるストレスを抱え込まないように働くことで、睡眠に関する悩みの改善が期待できます。
例えば、通勤や勤務において通勤ラッシュ以外の時間帯を選んだり、上司と相談して自分に合った仕事内容に変えたりするなど、ストレスを避けることが具体的な方法として挙げられます。
一睡もできなかった場合は仕事を休んだ方が良いですか?
一睡もできずに体調不良を感じている場合は、仕事を休んだ方が良いと言えます。
体調不良を感じながら無理に働いた場合、さらに体調が悪化してしまう可能性もあるため、休養を取って体を休めた方が良いでしょう。
また、体調不良を感じていない場合であっても、無理をして働くと体調が悪くなってしまうこともあるため、注意が必要です。
【監修者プロフィール】
江東こころのクリニック院長
谷本 幸多朗医師
九州大学医学部卒業後、帯広第一病院にて救急医療や外科及び内科の研修を経験する。
2013年より久喜すずのき病院にて精神科急性期医療を後期研修し精神保健指定医となる。
2018年より江東区にて一般メンタルクリニックに加えて認知症デイケアを併設した物忘れ外来も行う精神科クリニックである江東こころのクリニックを開業し、現在に至る。
▼主な経験
・精神保健指定医の経験あり
・製薬会社主催の各講演会や地域の医療職対象の勉強会において講演や座長の経験多数あり